ROIは、マーケティング効果の分析に欠かせない指標です。この記事では、BtoBマーケターの必須知識であるROIについて、分析の基礎から算出・実践方法までを解説します。後半ではMAツールHubSpotを活用し、ROI分析を最適化するポイントもお伝えしますので、ぜひ導入の参考にしてください。
ROI(Return on Investment)は、費用対効果や投資利益率など、投資額に対する利益率を示す指標です。M&Aなどの評価基準であり、現在ではマーケティングにおける設備投資の事前チェックや、施策の効果分析手法としても重要視されています。
マーケティング施策が顧客ニーズに合わせて細分化するなか、特に商談フローが複雑で検討期間も長いBtoBで、それぞれの施策の効果を数値化して把握するのは困難です。その点ROIは「利益」という観点ですべての施策を比較できるため、規模感や形式にとらわれず効果の出ている施策を見極めることができます。
ROAS(Return On Advertising Spend)は、広告の費用対効果・広告費用回収率を算出する指標です。ROIとROASは混同されやすいのですが、ROIは投資費用に対する「利益」の割合で、ROASは「売上」の割合を指すという違いがあります。マーケティング戦略では「ROASで成果をスピーディーに判断し、ROIで正確な投資効果を判定する」など、両方をうまく使い分けることが大切です。
マーケティングROIは、マーケティング投資のみに対する利益率を算出する指標です。通常のROIにはプロモーションコスト以外にも諸費用が含まれているため、マーケティング施策のみ評価したいときは、マーケティングROIを活用します。
マーケティングにおけるROI分析の重要性
ここでは、なぜマーケティングでROIが重要なのか、3つの活用方法とともに解説します。
ROIは数値が大きいほど投資効果は高くなります。10〜20%が投資対象となる事業の基準であり、0%が損益分岐点、マイナスの場合は投資費用が利益を上回っているため赤字です。ここでは計算方法をご紹介します。
ROI=(粗利-投資額)÷投資額×100
※粗利=売上-売上原価
マーケティングROI=(粗利-販管費-マーケティング投資額)÷マーケティング投資額×100
※販管費(販売費や管理費)はマーケティング投資額ではないため差し引く
マーケティング成果を最大化するためには、効果的な施策を見極め、適切に予算を投資していくことが大切です。ここでは「リード獲得」について、ROI分析の実践手順をみていきます。
ROI分析の実践にあたって、HubSpotなどのマーケティングツールを活用するのがおすすめです。ROI分析に必要なデータを自動取得できたり、施策ごとの解析や検証・比較が楽なので、データドリブンの施策戦略を打ち出しやすくなります。
ダッシュボードは、マーケティング効果の比較に必要なデータを集約する仕様になっています。1つの画面に任意の複数のレポートを表示できるため、ROI分析のためのデータ収集が簡単です。
キャンペーンアナリティクスでは、1つのキャンペーンで使用したアセットを同じキャンペーンとして紐づけておくことができます。メール配信やランディングページなどの施策を細かく分けてデータ計測できるほか、別のキャンペーンとの比較もスムーズにできるため便利です。
HubSpotでは、各チャネルやウェブページごとのアクセス数やコンタクト数、顧客への転換率などを一覧で可視化できます。どの施策やページに反響があったのかをリアルタイムで確認できるのは、ROI分析をするにあたって大きなメリットです。
ここでは、実際にHubSpotを活用した、ROI最適化の具体的な事例をみていきます。
HubSpotにはワークフローに沿ってマーケティング活動を自動化する機能が備わっています。ストレスなく人件費削減・コンテンツ配信の最適化・見込み顧客育成の効率化などが叶うため、スムーズなROIの向上が可能です。
HubSpotはCRM(顧客管理ツール)としての機能も充実しており、スコアリング機能で簡単に確度の高い顧客だけを抽出できるので、無駄のない営業活動ができます。HubSpotひとつで顧客情報も一元管理できるため、活動のロスがなくなるのは大きなメリットです。
HubSpotがひとつあればSNS、SMS、WEB広告などの外部ツールと連携できるため、見込み顧客の育成をさらに促進できます。
利便性の高いROI分析ですが、実践には2つの注意点があります。
ROIはさまざまな施策の費用対効果の可視化に応用できますが、資料請求や問い合わせ、知名度アップなどの定性的なコンバージョンの分析には向いていません。CPAなど別の指標も併用したり、数値化できない外部要因が影響を与えていないか考慮するなど、ROIだけに頼らない視点を持つことを忘れないようにしてください。
ROI分析の結果はあくまでも一時的なもので、実施するタイミングによって結果は変動します。また、製品によって長期的には収益性が高い施策でも、初動が遅いと短期的なROIでは成果が出ていないように見えてしまいます。ROI分析を正しく活用するためには継続的に測定を行い、数値の意味までよく理解することが大切です。
ROI分析でマーケティング施策の利益を数値化・可視化できれば、より効果的な施策を打つことができるようになります。HubSpotなどのMAツールをうまく活用して、ROIの効果を高めていってください。もしHubSpotの導入をご検討中でしたら、弊社株式会社博報堂アイ・スタジオのHubSpot導入ソリューションをご活用ください。導入時のアカウント発行や初期設定など細かい対応も相談相手がいれば安心です。HubSpotは、ROI分析に役立つ機能が備わっているだけでなく、リードの質を高め、顧客エンゲージメントを向上させ、効率的なマーケティングプロセスの実現に役立つツールです。まずはサービス資料をダウンロードして詳細をご確認ください。