BtoBのタッチポイントの具体例
BtoBのビジネスモデルは企業間取引であることをふまえ、タッチポイントはオフライン、オンラインの両面から検討することが大切です。タッチポイントは複数想定されるため、自社のカスタマージャーニーでマッピングを行いつつ具体化してみてください。
オフライン | オンライン |
展示会や実店舗への訪問 | SNSやウェブサイトのブログ記事の閲覧 |
スタッフの接客 | 購入のお礼などのメール |
営業訪問や商談、 | キャンペーン広告 |
インタビュー参加 | オウンドメディア、ブランドサイト、ECサイトへのアクセス |
商品カタログや屋外広告、CM、チラシを目にする | 自社製品への評価やレビュー、口コミを見る |
新聞や雑誌などへのメディア掲載 | インフルエンサーによる販促 |
カスタマーサポートやコールセンターへの問い合わせ | メルマガやプレスリリース |
タッチポイントとチャネルの違い
タッチポイントとよく混同される言葉にチャネルがあります。チャネルは、展示会、Webサイト、コラム、営業訪問、SNSなど、顧客と接点を持つための手段そのものを指し、顧客へのコミュニケーション戦略まで含めて考えるタッチポイントとは意味が異なります。例えば、自社製品の認知拡大のために「SNS広告に出稿を決める」ことはチャネルの選定です。その一方、SNS広告で「ターゲットが昼休みにみるよう12時に配信する」「顧客に合わせてDXやAIなど訴求力のある単語を入れる」など、アプローチ方法まで設計するのがタッチポイントの目的です。
カスタマージャーニーにおいてタッチポイント強化が必要な理由
購買プロセスのデジタル化にともない、多くの企業がマーケティング戦略のひとつに「タッチポイントの強化」をあげています。ここでは、なぜカスタマージャーニーにおいてタッチポイントを強化すべきなのか、その理由を2つ紹介します。
1.購買行動の多様化・複雑化への対応
インターネットが普及するにつれ、顧客と企業の接点であるタッチポイントはオンライン化し、多様化・複雑化を続けてきました。このような市場変化に対応するために、企業は今まで以上に消費者のニーズやインサイト(隠された本音)を理解し、顧客体験を高める必要に迫られています。このとき役立つのが、タッチポイントの分析・強化です。タッチポイントで顧客が「どのタイミングで」「どのような感情を抱き」「どの顧客行動につながったか」などを深く理解すれば、スムーズにアプローチ施策に落とし込むことができます。
2.顧客満足度の向上
企業の安定した売上アップのためには、購入前・購入後における顧客体験を改善し、顧客満足度を向上させ続けなければなりません。そのためにはカスタマージャーニー全体をみるのではなく、各タッチポイントでフィードバックを収集・分析し、顧客体験に与える影響を理解することが重要です。タッチポイントに焦点をあてて改善領域を特定し、解決策を講じれば、カスタマージャーニーやマーケティング活動全体の強化につながります。
カスタマージャーニーのタッチポイントを強化する方法
タッチポイント強化にはいくつかコツや注意点があります。ここでは、具体的にタッチポイントを強化する方法を4つ解説します。まだ自社のタッチポイントを定義できていない方は、この章のステップに沿ってペルソナ設定からはじめてみてください。
- タッチポイント検討前に、必ずペルソナを設定する
ペルソナとは自社サービス・商品を利用する典型的なユーザー像のことで、カスタマージャーニーにとっては主人公となる存在です。タッチポイントやカスタマージャーニーは「顧客視点」で考えるため、精度を高めるためにも、まずはペルソナの考え方や行動を詳細に検討してから、作成に取り組むことが重要です。このとき、ペルソナ設定ではユーザーの行動パターンや思考をより鮮明にイメージできるよう、実在するかのようなリアルな人物像を作り出すことが理想的です。
- ペルソナをもとに、カスタマージャーニーマップを作成
設定したペルソナを活用して、顧客の意思決定プロセスを時系列順に可視化し、カスタマージャーニーマップを作成します。ペルソナの目線で情報を整理し、タッチポイントの洗い出しや顧客理解を深めます。このとき、タッチポイントは自社サービスに関わるものに限定せず、さまざまな可能性を考えることが大切です。より効果的なカスタマージャーニーマップを作成するには、マーケティング担当者だけでなく、顧客との接点が多い営業部やカスタマーサポートなどと連携しながら作成してください。
- カスタマージャーニーに基づいたアクションプランを実行
カスタマージャーニーが作成できたら、次は明らかになったインサイト(顧客の本音)に基づいて、企業側の行動プランを作成・実行します。タッチポイントごとに提供すべき顧客体験を設計し、戦略的にマーケティング施策を展開していきます。
- 業務効率化ツールを導入する
有効なタッチポイントの探り出しや改善には時間も人的コストもかかるため、継続的なマーケティング活動のためにも業務効率化が欠かせません。もしタッチポイントの最適化に困ったら、CRM(顧客管理システム)やチャットボットなどの効率化ツールの導入もおすすめです。自社の課題やボトルネックによって解決策は異なるため、求めるポイントや機能の見極めが必要です。
カスタマージャーニーのタッチポイントを強化し顧客体験向上へ
大量の情報があふれる現在では、企業にとって「タッチポイント強化」は欠かすことができない重要施策です。オンライン、オフラインでタッチポイントを使い分けながら、顧客体験向上につながる施策を実施してください。もし自社のタッチポイント最適化を含めたマーケティング施策の設計にお困りでしたら、弊社株式会社博報堂アイ・スタジオまでご相談ください。状況を細かくヒアリングさせていただいたうえで経験豊富なマーケティングコンサルタントが、貴社に合った最適なマーケティング施策の提案から改善まで幅広くサポートいたします。
最近の投稿