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コンテンツマーケティングの重要性が強調されている昨今、オウンドメディアを運営する企業が増えています。しかし、アクセス解析をしてPDCAを回しているものの、思うようにコンバージョンが伸びなくて悩んでいることも多いのではないでしょうか?

コンバージョンが伸び悩む原因はどこにあるのか?

それを知るためには、訪問したユーザー単位で行動を追っていくと、新たな視点が見つかることがあります。そこで今回は、通常のアクセス解析とは異なるアプローチの「ユーザー単位の行動分析」について紹介します。

通常のアクセス解析では、ユーザーの気持ちはわからない

オウンドメディアの効果を高めようとするとき、テコ入れ施策として「集客力のあるタレントや著名人を使ったコンテンツを作ろう」「広告戦略を変えよう」となりがちですが、それは一時的な飛び道具にしか過ぎません。結局は来訪したユーザーの気持ちを変えて、コンバージョンまで持っていくサイト構築が必要です。
 
しかし、コンバージョンを上げるためにオウンドメディアをリニューアルしようとしても、
 
  1. なぜ直帰率が高いのか?
  2. 直帰はせず、コンテンツを見てくれているのに、なぜコンバージョンしてくれないのか?
  3. コンバージョンに到達した人は、どんな人なのか?
これらの実情がわからない、という悩みをよく聞きます。これらの疑問が解決すれば、もっと良いメディアが作れるのに、通常のアクセス解析ではわからないポイントです。

1人ひとりの行動を追うことで、意図が見えてくる

セッション単位で分析するアクセス解析は、ユーザーの動きの全体的な傾向はわかります。しかし、メディアを訪問したユーザーが何を意図して訪れているのか、というところまではわかりません。

例えば、スーパーの動線で野菜売り場から精肉売り場に行く人が多い、とわかっても、一人ひとりの意図は異なります。カレーを作るのか、肉じゃがを作るのか、それともまったく別なのか?その意図は、スーパーに来る前にどんなレシピサイトを見ていたのか、スーパー内で調味料売り場や他の食材売り場に行ったのか、など、一人ひとりの行動を追うことでようやくわかります。

それと同じように、メディアを訪れたユーザーの一人ひとりの行動を分析することで、意図が見えてきます。具体的には、GoogleAnalyticsで収集したデータからユニークユーザー一人ひとりの行動データを抽出し時系列で分析します。いつどのタイミングでどのページに訪れたかを見ていくことでその人の行動仮説を発見できるのです。

ユーザー単位の行動分析の事例

ユニークユーザー一人ひとりの行動データを分析し、このメリットを活かしユーザー単位の行動分析をすることで新たな視点が見えてきた事例をいくつか紹介します。

事例1:製薬メーカーのオウンドメディア

【課題】
さまざまな症状に関するコンテンツを展開していたが、直帰率が高いこと、コンバージョンに設定している製品情報へのアクセスが伸び悩んでいること。

【分析結果】
CVユーザーの行動を分析すると、症状をまず検索し、そこから訪問。ランディングページとなる症状ページを見たらすぐに離脱を繰り返している。最初は症状を理解することが目的のため直帰率が高くなるが、検索エンジンとメディアを行き来しながら理解を深めようとし、深まったところで症状を解決する製品情報へコンバージョンしている、という仮説を立てることができた。

ユーザー単位の行動分析

ユーザー単位の行動分析

【改善プラン】
ユーザーニーズ的に、症状のコンテンツ直帰率が高くなることは避けられない。ページ自体の改善よりも、ユーザーの症状理解度に応じた別のコンテンツ提案が必要。

事例2:英会話スクールのオウンドメディア

【課題】
コンバージョンは体験レッスンの申込み。CVユーザーは、最初の訪問からどのくらいの期間で、どんな経緯を経てコンバージョンに至っているのか、ユーザー像が見えていない。

【分析結果】
CVユーザーは、初回アクセスからコンバージョンまでに約1.5ヶ月かかっている。事前に申し込みフォームを何度も閲覧し、内容を確認している。また、各教室が展開しているブログ記事の閲覧頻度が高く、リアルな教室の雰囲気がわかるブログが重要な情報源である仮説が立てられた。

ユーザー単位の行動分析

【改善プラン】
CVユーザーはじっくり検討を深めているが、最後のひと押しとなるのはリアルな教室の様子で、自分がそこにいることを具体的に想像できるステップが必要だと考えられる。各教室にブログが重要な集客になっていることの周知と、ブログへの導線を強化。


事例3:カード会社のアプリ

【課題】
アプリのリニューアルを検討しているが、どんなユーザーが、どのコンテンツを利用しているのか、ユーザー像が見えてこない。ユーザー像を明確にして本質的な課題を発見し、リニューアル指針の検討材料としたい。

【分析結果】
アプリを利用する目的によって、アクセス頻度も回遊状況も異なる。UI的な課題というよりは、ユーザーのカード利用頻度に影響を受けていると仮定できる。また、アプリ利用目的により、親和性のあるコンテンツが異なっている。

コラム_行動分析_04

【改善プラン】
アプリ利用目的に応じて、親和性のあるコンテンツへの導線をスムーズにすべき、との仮説が立てられる。今後はユーザーインタビューなどの定性調査も予定しているが、その際の仮説立てや構成を組み立てる際の指針とする。

本質的な課題を見つけ、
それをクリアしていくことで、メディアは成長

このように、通常のアクセス解析では見えなかったユーザーの意図があぶり出されることにより、本質的な課題が見つかります。それをクリアしていくことで、オウンドメディアを持続的に成長させることができます。

「コンバージョンが上がらない・・・」
「効果を上げるためにリニューアルしないと」
「どこをどう変えたら良いのか」

そんな悩みがあるときは、新たな視点のコミュニケーションアイデアが見えてくるユーザー単位の行動分析を試してみることをおすすめします。

 

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