メールマーケティングの費用対効果は、ほかのマーケティング手法と比較して格段に高いことが知られています。
そこでこの記事では、そもそもメールマーケティングの費用対効果とはなんなのか、基礎知識から具体的な理由、低コストを叶えるツールや手法4選について解説します。
最後に「メルマガはもう時代遅れなのか」というマーケターが抱きがちな疑問にもお答えしますので、この記事を参考に自社がメールマーケティングに取り組むメリットを考えてみましょう。
まず、メールマーケティングの費用対効果について詳細を確認しておきましょう。
メルマガ(メールマガジン)は顧客のメールアドレスさえあれば手軽にスタートでき、郵送費・印刷代や高額な広告費なども一切かかりません。
事実、DMA(ダイレクトマーケティング協会)の調査でも「メルマガに1ドル投資すれば、38ドルの効果が期待できる」と報告されました。また、イギリスの調査会社Adestraのリサーチでは、マーケティング手法の中で最もROI(投資対効果)が高いのは「メルマガ配信」であることが明らかになっています。
このように、メールマーケティングはコストパフォーマンスに優れた手法であり、投資する価値が高い施策であることがわかります。
メールマーケティングの実践にあたり、必要な経費は「人件費」と「配信ツール利用料」の2種類です。
コンテンツ作成や配信設定、効果測定などは人の手で行うため、メールマーケティングの運用には最低限の人件費が欠かせません。
加えて、メールマーケティングツールを利用する場合は定期的な費用が必要です。手動でのメール配信には限界があるため、ほとんどの企業がツールを導入しています。
次に、メールマーケティングのコストパフォーマンスが良い理由を3つみていきましょう。
メールマーケティングに必要な費用は人件費を除けば月々数千〜数万円と安価です。
SNS運用・広告掲載などにかかるプラットフォーム利用料や、ダイレクトメール(DM)に必要な封入作業やデザイン費などと比較すると、はるかに安くすみます。
また、メール作成は会社員にとって馴染み深い作業であり、特別なノウハウも不要なので、まず初めて見るという段階では外注費をかける必要もありません。
メールマーケティングは、いちから顧客情報を入手する手間がかかりません。
配信に欠かせない「メールアドレス」は誰もが持っているため、自社に蓄積した名刺や顧客リストから施策をスタートできるのは大きなメリットです。
また、すでに関係構築が済んだ既存顧客へ効果的にアプローチできれば、より成果や売上に直結しやすい傾向があります。
オウンドメディアやWeb広告などは、誰に読まれるか・表示されるかをピンポイントで選択することはできません。
しかしメールであれば確実にターゲットの受信箱に届けることができるうえ、読者の属性を絞り込んで相手との関係性や購買意欲に合わせた情報提供が可能です。
例えばBtoCであればキャンペーンや新商品の告知、BtoBであれば業界の最新ニュースや展示会のお知らせなどタイムリーな話題を選択することで、クリック数や開封率を向上させやすくなるでしょう。
メールマーケティングの効果を最大化するには、ミス無く正確に大量のメールを配信できる「メールマーケティングツール」が不可欠です。
いつまでも手作業に頼ったメール配信を行っていると、一斉送信の際にToとBCCを設定し間違えるなど、情報漏えいが起こる危険性はなくなりません。
自社のビジネス規模を拡大するためにも、大量配信をこなせ、信頼できるツールを早めに導入することが重要です。
メール配信システムは、メールマーケティングに特化したツールです。
配信メール数に応じた従量課金制が多く、月額費用は無料から平均数千円と比較的低予算からスタートできます。
メールの一斉配信や大量送信のほか、配信リスト管理、簡易的な分析機能などが搭載されていることが多いです。
MAは、もともとマーケティング活動全般を効率化するための支援ツールです。
制度の高いメール配信に加え、各種広告やWebサイト管理、データの数値化や計測、アナリティクスなど、いままで人が行っていた作業を自動化し、デジタルマーケティングを強化してくれます。
高機能なぶん無料から高額なものまで費用には幅があるため、自社課題やニーズ、事業規模によって最適なものを選択しましょう。
メールによるマーケティング効果を最大化するためには、目的に応じて複数の施策を戦略的に使い分けることが大切です。
ここでは代表的な4つの施策をご紹介しますので、それぞれの特性をつかんでおきましょう。
見込み顧客を業種や役職などの属性でセグメントに分類し、ニーズに合った最適なメッセージを送り分ける手法です。
また、属性に加えてユーザーのWeb行動履歴に応じてメール内のコンテンツを変化させる「リターゲティングメール」も、ターゲティングメールの一部です。
見込み客による問い合わせや資料ダウンロードなどのアクションを起点に、1日後、1週間後などあらかじめ指定したタイミングで、決まったスケジュールのメールを自動配信する手法です。
ユーザー行動に関わらず時間が経てば継続してメール配信が行われるため、興味関心の向上や関係構築のきっかけづくりに有効です。
時系列で配信するステップメールと違い、シナリオメールはユーザーの反応に応じてメールを送り分ける手法です。
メール開封やリンククリックなど、見込み顧客の行動に応じて配信内容をカスタマイズしたりパーソナライズできるため、エンゲージメントにつながりやすいことが魅力です。
成約に至らず失注した顧客に対し、近況確認や新たなオファーなどのフォローアップメールでアプローチする手法です。
過去に関係構築が済んでいる顧客なので取り組みやすく、もし反応があれば新規顧客より低コストで商談化しやすいことが特徴です。
SNSやチャットアプリなどの台頭で「メルマガはもう古い!」と言われ、メールマーケティングに取り組むべきか悩んでいる担当者も多いでしょう。
しかし、メールマーケティングは決して時代遅れの手法ではありません。
確かにプライベートでメールを利用する機会は少なくなりましたが、ビジネスパーソンの間での連絡は今でもメールが主流です。
そのため、企業をターゲットとするBtoBマーケティングにおいて、メールマーケティングは現在でも高いコンバージョン率を誇る、有益な手法であることは変わりません。
NTTドコモのモバイル社会研究所の2021年データでは、15〜79歳のアカウント所有の割合はGoogle 77.8%、LINE 75.4%となっており、フリーメールアドレスも未だに利用率が高いことがわかっています。
グローバル市場調査を行うフォーチュン・ビジネスインサイツの報告をみると、2022年に12億6千万ドルだったメールマーケティングツール市場は2029年までに2倍以上の27億6千万ドルに成長すると予測されています。
つまり、世界中で今でもメールマーケティングの需要は高まり続けているのです。
これは、メールマーケティングが今後も世界中で重視されているマーケティング手法であることの証明ともいえるでしょう。
メールマーケティングは費用対効果が高いうえ、継続的な関係構築が必要なリードナーチャリング(育成)やリピーター獲得に最適な施策です。
まずはMAツールなどの無料プランを活用し、既存顧客リストの整理やメルマガ配信を始めてみましょう。