メールマーケティングは手法も多く、低コストで成果のあがるマーケティング施策として幅広いマーケターに支持されています。
本記事では、BtoBにおけるメールマーケティングのメリットから、実践にあたっての手法や手順、評価基準まで網羅して解説します。
実践にあたり必要な情報を厳選しましたので、まずはこの記事を読んで準備を進めていきましょう。
メールマーケティングとは、デジタルマーケティングのうちメールをコミュニケーションツールとする施策全般を指す言葉です。
特に、検討期間が長くメールを使うことが多いBtoBビジネスにおすすめの手法として、多くの企業が取り組んでいます。
既存顧客との良好な関係維持をはじめ、見込み顧客の育成(ナーチャリング)、ブランディングやファン獲得、売上向上など、目的に応じて臨機応変に活用できることも魅力です。
SNSやLINEが主流となった現代では「メールマーケティングは古い・成果がでない」といわれることがあります。
しかし企業では今でも社外コミュニケーションの中心はメールです。
加えて、費用対効果の高さや導入ハードルの低さなどのメリットも多いため、BtoB市場においてメールマーケティングは今でも必要な手法といえるでしょう。
まず、メールマーケティングのメリットを3つみていきましょう。
メールマーケティングは、配信ツール利用料と人件費のみでスタートできるため、費用対効果(ROI)の高い施策として知られています。
内製化できれば月額数千円程度しかかかりません。
また、多額の費用がかかる広告施策と異なり、低予算で数万人の顧客に一斉アプローチができることもメリットです。
メールマーケティングは、見込み顧客のセグメントや行動に応じてコンテンツを送り分けることができます。
One to Oneマーケティングを実現しやすいほか、自社Webサイトへの誘導やイベント案内など他の施策と併用できることも他にない強みです。
メールマーケティングは、ツールを活用すればクリック率や開封率などの詳細なデータを簡単に取得することができます。
そのためDMのようなリアル施策よりPDCAを構築しやすく、素早く確実に成果につなげることが可能です。
次に、メールマーケティングの代表的な手法を5つみていきましょう。
全ユーザーに一斉にメルマガ配信を行う手法です。
複数人に同じ内容を送信するため、新規問い合わせや集客につなげるのではなく、既存顧客のファン化やエンゲージメント強化を目的に行います。
内容は新商品の告知やキャンペーン情報、メンテナンス予告などを配信するのが一般的です。
見込み顧客の資料請求や商品購入などのアクションを起点として、あらかじめ用意したメールを自動配信する手法です。
見込み顧客の関心度合いに合わせて段階的に配信スケジュール(シナリオ)を組むことで、ナーチャリングから商談化までスムーズにすすめることができます。
見込み客の会社情報や年齢、性別、役職などの属性にあわせ、コンテンツから最適な内容を自動配信する手法です。
ターゲットを絞ってオファーできるため反応率がよく、ステップメールと組み合わせることで配信を効率化することもできます。
見込み顧客の属性に加えWeb閲覧履歴なども起点として、次の行動を促すメールを配信する手法です。
具体的には「商品をカートに入れて3日経過したユーザーにリマインドメールを送る」「資料請求したユーザーにWebセミナーのオファーを送る」などが代表例です。
過去の顧客や一定期間動きがない顧客に対して再リード化を促す手法です。
休眠顧客には既存のメルマガでは効果が薄いため、異なるアプローチでメールを作成するのが効果的です。
メールマーケティングにはさまざまな手法がありますが、作業フローはほぼ共通です。
ここでは、実際の手順を、8ステップで詳しくみていきましょう。
なんとなくクーポンやセール情報を一斉配信しても、結果にはつながりません。
まずは解決したい自社課題や、求める成果(KGI・KPI)を明確に設定し、施策の方針をかためましょう。
次に、設定した目標に応じて最適なコンテンツを検討しましょう。
コンテンツはターゲットに響かないと意味がないので、顧客視点でみて「悩みや困りごとを解決できる有益な内容」を配信するよう意識します。
できるだけ多くの受信者にメールを読んでもらえるよう、配信タイミングはA/Bテストなどで検証を重ねるようにしましょう。
ターゲットや商材によって異なりますが、一般的にBtoBメールの開封率は平日の勤務時間内、特に出勤直後のメールチェックのタイミングが最も高い傾向があります。
次に、実際にメールの対象ユーザーをリスト化します。
ユーザー数が多いほどマーケティング戦略の精度が上がるため、顧客データの獲得にも注力することが大切です。
例えば、資料ダウンロードや名刺交換、アンケートなどの施策で、メールアドレスを獲得することができます。
作成効率を上げたり、ユーザーにわかりやすくするために、メールはテンプレート化しておくのがおすすめです。
配信メール形式には、容量が軽く簡単に作成できるテキストメールと、画像や動画・タグの埋め込みができるHTMLメールの2種類があるので、目的に応じて使い分けましょう。
続いて、実際に配信するメールを作成します。
カスタマージャーニーやペルソナを設定し、顧客の興味関心やニーズに合ったメールになるよう、工夫しましょう。
作成したメールを配信します。配信頻度や配信数はしつこくならないように調整します。
また、大量のメールをミスなく一斉配信するために、メール配信ツールやMAツールの活用が効果的です。
メール配信後は必ず効果検証を行い、計測した数値をもとに施策の最適化を行います。
例えば課題に応じてメール内容やタイトル・件名を改善したり、配信タイミングのA/Bテスト実施も有効です。
メールマーケティングで成果をあげるためには、KPIに合った指標を設定し、継続的に効果測定を行うことが重要です。
代表的な指標として、以下の7つを理解しておきましょう。
指標 | 意味 |
---|---|
有効配信率 | 配信したメールがユーザーのもとに届いた割合 |
開封率 | 到達メールが開封された割合、平均値は20%前後と言われている |
クリック率(CTR) | メール本文中のリンク・URLがクリックされた割合 |
読了率 | リンク・URL先のコンテンツがどこまで読まれたかを示す割合 |
コンバージョン率(CVR) | 問い合わせや自社製品購入など、施策の目的が達成された割合 |
エラーメール率(バウンス率) | 配信メールがユーザーに到達しなかった割合 エラー率が高いと、スパム認定や迷惑メールに振り分けられている可能性があります |
解約率(オプトアウト率) | 配信先ユーザーが自らメール配信登録を解除した割合 顧客満足度が高いコンテンツは解約率が低い傾向にあります |
比較的安価で、一斉送信や自動配信設定、リスト管理やステップメールなどの機能が備わっています。
マーケティング活動全般の自動化を支援するツールで、メール配信機能が備わっています。
属性や行動履歴によるセグメント分けや、データの可視化により、精度の高いメールマーケティングの実現が可能です。
最後に、メールマーケティングに必要なコストの内訳を確認しておきましょう。
そのほか、規模が拡大するにつれて外注費用などが必要です。
メールマーケティングは、BtoBビジネスにおいて今も注目される施策であり、大きな効果も期待できます。
効果を高めるポイントは、ターゲットにあわせてメールの内容やタイミングを最適化していくことです。さらに、MAツールを活用することで、効率的な運用も可能になります。