MAツールの機能は多種多様ですが、その中でもBtoBマーケティングで活用すべき8つの機能があります。
本記事ではMAツールの導入を検討している方へ向け、MAツールの基礎知識から知っておきたい主な機能まで網羅して解説します。
後半ではBtoBビジネスにおいてMAツールがなぜ必要なのかその背景についても触れていますので、自社の状況と照らし合わせながらご確認ください。
MA(Marketing Automation)ツールとは、新規顧客獲得から商談化まで、マーケティング活動に必要な業務プロセスを自動化するための業務効率化支援システムです。
見込み顧客のニーズに沿って最適なシナリオを構築しておけば、担当者の工数削減だけでなく、きめ細やかなOne to Oneマーケティングを実現し、マーケティング施策の成功率を高めることができます。
なお、本記事ではMAツールの機能面に焦点をあてて解説しています。そのため、まずはMAツールでできることをざっくり把握したいという方は「MAツールにできること5選!MA導入に悩む企業にむけてわかりやすく解説」 の記事もぜひご覧ください。
MAツールに搭載されている主要な機能を8つご紹介します。
どれもマーケティングでは必ず使用する機能なので、まずはしっかりと内容を理解しておきましょう。
MAツールの顧客管理機能を利用すれば、簡単に顧客情報を一元管理できます。リードの連絡先や属性はもちろん、メール開封の有無や自社サイトの閲覧ログなど、行動履歴の把握もスムーズです。
このMAの顧客管理機能は、特に意思決定者が複数いるBtoB企業で役立ちます。
MAで顧客同士の関係性を整理し、立場や段階に合わせて施策を使い分けることで、リード獲得から購買意欲育成までアプローチの最適化を実現できるでしょう。
MAツールのメール作成・配信機能では、HTMLメール・テキストメールの作成はもちろん、セグメントごとに最適なメールを送り分けることができます。
MAはリード管理機能で常に顧客行動をチェックしているため、人の手を介さなくても最適なタイミング・内容でのメール配信・メルマガ送付を実現可能です。
なお、メール配信施策の訴求力を高めるためにはシナリオ設定を最適化しなければなりません。自社製品やサービスに応じて、事前にカスタマージャーニーを作成することが大切です。
これまで、Web広告のアクセス先であるランディングページ(LP)や資料請求・セミナー申込みフォームは「必要だけど自分たちだけで制作するには難しいもの」でした。
しかし、MAツールの機能を活用すれば、専門的なIT知識やノウハウがなくても、高品質なランディングページやフォーム作成ができるようになります。
さらに、獲得した顧客データはそのままMAツールに蓄積し、そのまま自動でナーチャリング(購買意欲育成)につなげることも可能です。
MAのシナリオ作成機能とは、あらかじめ顧客の行動に対して行うアプローチを設定しておくことで、フォローアップを自動化できる機能です。
例えば、セミナー参加後にアンケートとお礼メールを自動送信する、メールが3日間未開封のリードにフォローメールを送るなど、さまざまな施策を自動化できます。
自社顧客の興味関心や行動傾向を深く理解するため、まずはペルソナ設計やカスタマージャーニーの作成を行うことが大切です。
MAツールのスコアリング機能では、数値化したリード情報に基づき、受注確度の高い「ホットリード」の自動抽出・リスト化が可能です。
「メール開封1点」「資料請求5点」のような具体的な加点ルールを設定しておき、一定の点数を超えたリードを営業部門へ引き渡す流れを仕組み化できます。
MAツールを使ってホットリードを正確に見抜くことで商談の成功率向上や機会損失防止につながるため、うまく活用したい機能です。
データ分析や可視化は、MAの得意分野です。
Webサイトのアクセス解析はもちろん、LPやフォームを通じたコンバージョン、メールの開封率、外部データとの比較など、さまざまなマーケティング施策を多角的に分析できます。
また、分析結果はMAツール上で簡単にグラフ化・レポート化できるため改善点がわかりやすく、PDCAサイクルの高速化にも期待できるでしょう。
MAツールは各種広告プラットフォームと連携し、検索連動型広告やバナー広告、SNS広告など、煩雑になりがちな広告管理を一元管理可能できます。
特別な分析ツールがなくても、クリエイティブ制作から予算管理、顧客行動や利用デバイスの分析など、MAひとつで完了できるためとても便利です。
この広告管理機能を駆使すれば、出稿にかかる費用対効果を最大化することはもちろん、広告からの流入数を今以上に増加させることもできるでしょう。
多くのMAツールには、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理ツール)などのマーケティングツールとの連携機能が備わっています。
また、導入するMAツールによっては、CMS(コンテンツ管理システム)やオンラインミーティングツール、カレンダー、メールツールなど、多様なアプリと連携することも可能です。
各種社内システムとMAをシームレスに連携すれば部署間のコミュニケーションもスムーズになり、業務効率化につながります。また、一貫したフォローができるため顧客満足度の向上も実現できるでしょう。
MAツールを選定する際には、社内のどういったシステムと連携したいか、必要な機能はなにかなどを明確にしてから検討することが大切です。
BtoBはBtoCと比べると市場が狭く、検討期間が長い、衝動買いがない、関与者が多いなど、さまざまな特徴があります。
ここでは、なぜBtoBでMAツールの導入が急がれているのか、2つの理由を解説します。
近年、企業の情報収集はインターネットが中心になりました。そのため、おおまかな商品選定が完了してから営業担当者に連絡を取る、という流れが主流化しつつあります。
つまり、顧客が自らリサーチを行うため「そもそもWeb上で自社商品を認知してもらわなければ、購入の選択肢にあがることすらできない」のが現状です。
このような背景から、多くのBtoB企業はMAツールを使ったSEO対策やWeb広告、SNS発信などのデジタルマーケティングに取り組むようになりました。
デジタル化が進むなか、分析すべきデータ量も増え続けているため、今後さらにBtoB市場でのMAツールの重要性は高まっていくと考えられます。
BtoBビジネスでは、購買プロセスに関わる人数が多く、窓口担当者と決裁者が異なるなどサービス購入までに多くの承認を得なければなりません。
そのため、時には1〜2年以上にわたり長期的な接点を持ち続け、ニーズの顕在化やナーチャリング(育成)など細かな施策にじっくり取り組む必要があります。
このとき、マーケターの負担を軽減してくれるのがMAツールです。顧客データの管理からマーケティング施策の分析、営業活動との連携など、時間と工数のかかるタスクも、MAツールであれば簡単に効率化・自動化してくれます。
今後BtoBマーケティングで競合に差をつけるためにも、MAツールの必要性は高まっていくといえるでしょう。
MAツールは、BtoB企業に必要なマーケティング活動全般を効率化してくれる、メリットの多いツールです。
もしMAの導入に迷っている方は、まずはMAツールの機能を知ることからスタートしてみましょう。
顧客理解や施策の検討などBtoBマーケティングの基本は忘れず、MAツールが自社のマーケティング活動にどのようなメリットをもたらすか検討することが大切です。