「MAツールにできること」は、マーケティング活動の自動化だけではありません。
MA導入のメリットを最大限活かすためにも、搭載機能や特徴、最適な運用体制、選定時の注意点など、把握しておくべきことはたくさんあります。
特にマーケティングツール導入を検討中の企業は「MAによってどのような課題が解決できるか」を事前に理解しておくことが重要です。
そこでこの記事では、MAツールにできることを「顧客情報の一元管理」「購買意欲の育成」「確度の高い顧客の抽出」「施策の自動化」「効果検証」の5つのポイントに分けて詳しく解説します。
MAの基礎知識から詳しくご紹介していますので、MAツール活用のポイントやノウハウを知りたい方、MAツールの選択に失敗したくない方、これからMA導入を検討している方は、ぜひ本記事をご活用ください。
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、見込み顧客(リード)の新規獲得から育成、商談化までをサポートする業務効率化ツールです。
見込み顧客の購買プロセスを一元管理したり、メルマガ配信やスコアリングなどのマーケティング施策を自動化することができます。
ルーチンワークや顧客管理業務をITに任せれば、人件費などのコスト削減が叶うだけでなく、リソース不足が解消し社員はより生産性の高いコア業務へ集中することもできるでしょう。
MAツールによって得意分野が異なるため、BtoB・BtoCの違いを理解し、解決したいマーケティング課題に応じて、自社にとって最適なツールを見つけてください。
MAツールにできることは、「顧客情報の一元管理」「購買意欲の育成」「確度の高い顧客の抽出」「施策の自動化」「効果検証」の5つに大きく分類されます。
それぞれ、MAツールの具体的な機能や役割を見ていきましょう。
MAツールには、企業が獲得したすべての見込み顧客(リード)の個人情報を蓄積し、一元管理する機能が備わっています。
例えば、WEBサイト経由の顧客情報は自動登録できるほか、展示会やセミナーなどオフラインで行った名刺交換の情報も簡単にインポート可能です。
また、MAツールは名刺管理ツールのほか、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理ツール)など、さまざまなサービスや社内システムと連携することができます。
社内の顧客データを横断的に活用できるため、営業担当者による重複アプローチ防止や、営業部門とのシームレスな連携、戦略の最適化など、多くのメリットがあります。
MAツールは新規顧客開拓も得意分野です。
外部のCMS(WEBコンテンツ管理システム)と連携すれば、記事やホワイトペーパーの掲載、問い合わせや資料ダウンロードのフォーム作成、ウェビナー告知など、WEBサイトへのコンテンツ配信もできるようになります。
見込み顧客の新規獲得からデータ管理までをひとつのMAツールで行うため、顧客管理の手間を省き、購買意欲の育成(リードナーチャリング)も円滑にします。
また、顧客にとって有益なコンテンツ提供をすることができれば、認知拡大やリードナーチャリングだけでなく、既存顧客のファン化・リピーター化にもつながります。
今、見込み顧客の多くが、商品の情報収集や比較検討をWEB上で完結させています。
そのため企業側も、顧客の検索行動や閲覧履歴に応じてコミュニケーションの取り方を工夫していく必要があります。
そこで役立つのが、リードナーチャリングをより効率的に実現するMAツールです。
MAツールを使えば、蓄積した顧客の行動履歴を分析し、興味関心・属性情報に応じたセグメント分けや、最適なアクションタイミングを推測することができます。
具体的には、見込み顧客の行動に応じてメールを自動配信したり、過去の閲覧履歴に沿って顧客ごとに異なるポップアップ広告を表示することも可能です。
パーソナライズしたアプローチを継続することで、見込み顧客の購買意欲を効果的に高め、検討段階をスムーズに進めることができるでしょう。
MAツールには、取得した行動履歴に応じてスコアリングを行い、受注確度の高い見込み顧客(ホットリード)を選別する機能が備わっています。
スコアリングとは「資料ダウンロード2点」「メルマガ開封1点」のように点数設定しておき、見込み顧客の行動にあわせて採点していくことで、確度の高い見込み顧客を抽出する手法です。
MAツールには条件を満たした見込み顧客に商談依頼のメールを自動配信したり、マーケティング部門や営業チームへ通知する機能が備わっています。
見込み顧客の購買意欲が高まったタイミングでアプローチできるため、機会損失を防ぐほか、商談率の向上が実現できるでしょう。
MAツールを導入する一番のメリットは、「顧客情報の管理、購買意欲の育成、ホットリードの抽出、データ分析」などのマーケティング作業を自動化できることです。
例えば、あらかじめMAツールにシナリオを設定しておけば、「資料請求後に自動でお礼メール送信、その3日後にセミナーの案内メールを送る」などのコミュニケーションを自動で実行してくれます。
見込み顧客一人ひとりにアプローチする手間が減るうえ、パーソナライズしたフォローアップができるため購買意欲の育成もスムーズです。
MAツールで確実に成果を出すためにも、ペルソナやカスタマージャーニーマップなどで顧客理解を深め、シナリオ設計を最適化していくようにしましょう。
見込み顧客を効果的に受注へ結びつけるためにも、マーケターは常に施策の効果測定・改善を続けなければなりません。
このとき大きな助けになるのが、MAツールの顧客行動を分析する機能です。
メールマーケティングにおける開封率やクリック率、自社サイトのアクセス解析や閲覧数(PV)、ランディングページ(LP)からのコンバージョン(CV)獲得数など、さまざまな客観的数値を自動で可視化してくれます。
見込み顧客ごとに個別で詳細な数値を確認することもできるため、継続的な効果検証や、素早いPDCAサイクルの構築に役立つでしょう。
MAツールの機能をうまく活用して、顧客の接点ごとに最適なアプローチができるようシナリオ作成やマーケティング戦略の改善を続けることが大切です。
MAツールを使いこなせれば、集客力アップや顧客満足度向上、工数削減など、生産性を大幅にアップできます。しかし、もし「MAツールを導入すれば、全てうまくいく」と思っているのであれば、それは間違いです。
MAツールはあくまでもサポーターであり、最も重要なのは顧客理解を深め、ニーズに沿った施策立案を行っていくことです。
そして、マーケティング部門だけでなく、営業など他部署との連携のとれた会社全体の運用体制を整えることができれば、MAツールを最大限活用することができます。
まずは自社のビジネス課題を把握し、どのようなマーケティングツールが必要なのかをイメージすることから始めてみましょう。