コラム

インバウンドマーケティングとは?基本的な施策5選とコンテンツの展開方法を解説

作成者: 西村由香|4/1/24 12:00 AM

インバウンドマーケティングとは、自社サイトで消費者の課題解決を手助けするようなコンテンツを提供し自社ファンを育成するマーケティング手法です。

しかし、従来のマーケティング施策との違いや、本当に成果がでるのかなど、取り組み方に迷うマーケターも多いのではないでしょうか。

そこで今回はインバウンドマーケティングに初めて取り組む方へ向けて、基礎知識からメリット、施策までを網羅して解説します。

後半では顧客行動の段階ごとに最適な施策を紹介していますので、インバウンドマーケティングの実践に向けてぜひ参考になさってください。

インバウンドマーケティングとは

インバウンドマーケティングとは、自社サイトや自社コンテンツを訪れた見込み顧客が自発的に自社商品やサービスに興味・関心を持つよう促すマーケティング戦略のことです。

潜在顧客にとって価値あるコンテンツ・体験を提供し、購買意欲を育成したり、最終的に自社の顧客やファンを獲得することを目的とします。

企業が売り込みをしなくても自然とユーザーとの信頼関係が構築できるため、確度の高いホットリードを育成しやすく、営業効率が高いことがメリットです。

コンテンツマーケティングとの違い

コンテンツマーケティングは、ブログやSNSなどを通じて消費者に情報提供を行う手法です。

よく混同されますが、コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングにおける手法のひとつであり、同じものではありません。

インバウンドマーケティングは顧客との関係構築や成約までの戦略も含むため、コンテンツマーケティングより幅広いプロセスを含んでいることを理解しておきましょう。

アウトバウンドマーケティングとの違い

アウトバウンドマーケティングとは従来の不特定多数に向けた広告配信などのことで、インバウンドマーケティングとは真逆の手法全般を指します。

企業が顧客へ直接アプローチするプッシュ型の戦略で、テレアポやDM、テレビCM、展示会、訪問営業などが代表的な手法です。

現在でも有効な手法も多いため、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングは顧客のフェーズによってうまく使い分けるとよいでしょう。

インバウンドマーケティングのメリット

まずは、企業がインバウンドマーケティングに取り組む効果として、具体的なメリットを3つ見ていきましょう。

営業効率が良い

インバウンドマーケティングは企業側から直接アプローチを行いません。そのため押し売り感がなく、最初から自社商品に良い印象を持ってもらえることがメリットです。

コンテンツに魅力を感じた消費者が自然と集まるため、顧客獲得から育成、成約まで営業活動全般がとても効率よく進みます。

費用対効果がよい

インバウンドマーケティングにかかるコストは、ブログやSNSなどオンラインコンテンツの制作費くらいです。他のマーケティング施策と比較しても安価でスタートでき、社内でコンテンツを内製化できれば外注費用もかかりません。

さらに、継続的に施策に取り組むことでメディア運用のノウハウが蓄積でき、コンテンツも資産化するなど多数の恩恵を受けることができるなど、多数のメリットがあります。

データ分析が容易

インバウンドマーケティングでは、オウンドメディアやソーシャルメディアなどを通じてオンライン上でコンテンツを発信します。

そのためクリック数やPV、コンバージョン率などの調査や顧客行動の分析などが、従来の紙媒体のマーケティング活動と比べて非常に簡単です。

PDCAサイクルをスピーディーに回せるため、よりマーケティング施策を効率化・最適化することができるのは他にないメリットでしょう。

インバウンドマーケティングの施策

インバウンドマーケティングの基本戦略は、消費者ニーズに合ったコンテンツを発信し潜在顧客の興味・関心を引き出すことにあります。

ここでは具体的な施策を5つご紹介しますので、まずは取り組みやすい施策を探してみましょう。

コンテンツマーケティング(コンテンツSEO)

Webサイトで質の高いコンテンツを継続的に発信し、Googleなどの検索エンジン経由のオーガニック流入増加を狙う施策です。

キーワード選定やSEO対策などの上位表示施策のほか、ユーザーの課題を解決できる記事を提供することで認知拡大やブランディングを目指します。

メールマーケティング・SNSマーケティング

メールマーケティングでは、すでに自社と接点のある見込み客に対してEメールやメルマガを送る手法です。

また、SNSマーケティングではFacebookやInstagram、X(旧Twitter)などを通じて、見込み客との双方向コミュニケーションを行います。

どちらもパーソナライズしたメッセージを送ることができるためで、顧客のエンゲージメントを深める効果が高い手法です。

ホワイトペーパー(お役立ち資料)

ホワイトペーパーとは、主にBtoBで活用される有益な情報をまとめたWeb資料のことです。

専門的な情報や分析結果をダウンロード資料として提供することで、自社製品のPRや顧客情報獲得につなげます。

なお、同じ用途で活用される資料をeBookと呼ぶこともあります。

ウェビナー

ウェビナーとは、オンラインで実施するセミナーです。インターネット環境さえあればどこからでも視聴でき、オフラインの展示会などよりも気軽に参加できます。

リアルタイムで見込み顧客とコミュニケーションが取れるほか、共催ウェビナーや外部講師の登壇など、さまざまな工夫がしやすいことも魅力です。

MAツールの導入

MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動全般を自動化するための支援ツールです。

インバウンドマーケティングが本格化すると、顧客データの管理からスコアリング、リード育成など、マーケターはさまざまな業務に対応しなければなりません。

マーケターの業務効率化やインバウンドセールスとのスムーズな連携を行うためにも、MAの導入を検討するとよいでしょう。

インバウンドマーケティングの展開方法

インバウンドマーケティングはいくつかのプロセスに分かれており、顧客のフェーズごとに最適な施策やコンテンツを模索しなければなりません。

ここではインバウンドマーケティングにおける4つの購買ステップと、具体的なマーケティング施策をそれぞれ解説しますので実践の参考になさってください。

認知段階(Attract)

インバウンドマーケティングは、まず潜在顧客の興味をひく段階からスタートします。自社をまだ知らない消費者に向けてアプローチし、認知拡大を狙いましょう。

例えばWebサイトやブログなどのコンテンツマーケティングや、SNS、共催ウェビナーの開催、YouTubeでの動画配信などが効果的です。

ただし自社商材の宣伝をするのではなく、あくまでも消費者の悩みを解決し、情報収集を助けることを目的にします。

調査・理解段階(Convert)

次に、自社と接点を持った消費者を「見込み顧客」に転換します。

見込み顧客の課題を解決できるコンテンツを配信し、顧客情報の収集とナーチャリングを進めていくことを目的にしましょう。

この段階では、自社のウェビナー開催やホワイトペーパーの配布、継続的なSNS投稿やメルマガ配信などの施策が効果的です。

比較・購入段階(Close)

見込み顧客の購買意欲が高まったら、タイミングをみて商談化・成約を狙います。

まずは相手が利用イメージや費用対効果を比較できるよう、導入事例や料金表など具体的なコンテンツを提示すると効果的です。

ニーズに合わせて、インサイドセールスで非対面のコミュニケーションの場を設けてもよいでしょう。

リピート・口コミ段階(Deligent)

インサイドマーケティングは受注して終わりではありません。成約後も既存顧客と良好な関係を築き、ファンになってもらえるような取り組みが必要です。

丁寧なアフターフォローはもちろん、会員限定コンテンツや、導入後の活用事例の紹介、継続したメール・SNSでの情報公開、ユーザー同士のノウハウ交換会開催なども効果的です。

顧客満足度を高めることで、リピーター獲得や良いレビューの拡散につなげていきましょう。

インバウンドマーケティングの基本は顧客を理解すること

インバウンドマーケティングを成功させるには、まず顧客を理解し、購買段階に合った適切なコンテンツ作成を行うことが重要です。

コンテンツの充実には長期的な施策展開を行う必要があるため、無理のない計画を立てて取り組んでいきましょう。