今回はそれぞれの詳細は説明を割愛しますが、活用できそうなフレームワークや分析手法の概要と活用できそうなポイントをご紹介します。
まだ実施したことのないものがあればぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
MECEはMutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字ととって略した言葉で、「漏れなく、ダブりなく」ということを意味します。
ユーザーのセグメンテーションや思考の整理をするときに、漏れや重複があると全体像を把握できずに、見逃しが発生してしまうことを避けるために意識すべき考え方です。
ロジックツリーは、発生している課題の原因特定や、目標の設定など多種多様なシーンで活用することができる便利な問題解決手法のツールです。
発生している課題を起点として、なぜその課題が発生しているのか、その原因の深堀りをしていきます。
課題に対する原因に対して、さらにその原因はどこからきているのか?という形で深掘りしていきます。
この手法を使うことによって課題の根本原因を特定しやすくなります。
上記のロジックツリーに似ているのがKPIツリーです。
ロジックツリーでは発生している課題を起点としましたが、KPIツリーはビジネスに直結する指標(売上など)を起点として、構成するサブ指標(購入者数×顧客単価など)を構造的に分解し整理するものです。
KPIツリーを作成することで指標間の影響範囲がわかりやすくなるというメリットがあります。
また、実際の実績値を当てはめることで、ターゲット指標をどれくらいあげるとKGIがどれくらい上がるのかわかるようになります。
製品やサービスの市場普及率を表したマーケティング理論で、普及率に合わせてユーザー層を5つに分類しています。
イノベーターとアーリーアダプターを初期市場、アーリーマジョリティーからラガードをメインストリーム市場とし、両者の間には「キャズム」と呼ばれる深い溝(市場に製品やサービスを普及させる際に超えるべき障害)があって、この溝を超えることが市場開拓において重要だとする理論です。
キャズム以前の初期市場とキャズム以降のメインストリーム市場ではユーザーの購買におけるプライオリティが異なります。
初期市場のユーザーにとってはユーザー自身の価値観に合致している、目新しくて今後トレンドになるかもしれないということが魅力に感じるのが特徴です。
一方、メインストリーム市場ではただ新しいだけではユーザーを開拓できず、信頼して使用できるか、他にも使用しているユーザーはいるのかなど、購買において「安心」を求めるのがメインストリーム市場のユーザーの特徴です。
自社サービスの製品やサービスを投入している市場が、どの段階なのかによって注力すべきポイントを見定めることができる理論です。
ダートマス大学のケビン.L.ケラー教授が開発した、別名「ブランドビルディングピラミッド」あるいは「ブランドレゾナンスピラミッド」とも呼ばれる理論です。
ユーザーがサービスを認知してからブランドファンになるまでのステップを4つに定義しています。
最初のステップは「アイデンティフィケーション(存在確認)」で、サービス内容をほぼ知らず、第一印象程度で認識している段階です。(CMなどによるアプリ概要を中心とした認知・初期理解)
次のステップは「ミーニング(ブランドの意味づけ)」で、初期段階の利用によるサービス理解や評価する段階です。(サイトの基本機能による理解、使いやすさに対する印象評価)
その次のステップは「レスポンス(反響を得る)」です。このステップは定期的な利用からサービスのことを評価する段階です。(ポイントの貯まり方などの機能に対する継続利用での評価)
そして最後のステップが「リレーションシップ(関係構築)」で、サービスに強いメリットを実感し、毎日意欲的に利用する段階です。(紹介機能の利用など、自他ともに利用を促進しているブランドファン)
この理論は継続利用を促していきたいサービスに適した理論で、ユーザーがどのステップにいるときにどんな施策を提供しているのか、またはできていないのかを考えることに役立ちます。
AARRRモデルとは、Acquisition(新規ユーザー獲得する)、Activation(使いはじめさせる)、Retention(継続利用させる)、Referral(紹介させる)、Revenue(収益をあげる)という5つの英単語から成るフレームワークです。
ベンチャーキャピタルの500 Startupsを創業したDave McClureによって考案されたもので、ビジネス成長の一連の流れを表しています。
ビジネスとしてこれらの5つの視点であまり対策を講じられていない箇所がないかを振り返ってみましょう。
マストハブサーベイはショーン・エリス氏が開発した調査方法で、ユーザーに対して以下の質問をユーザーに問いかけます。
Q:もし、明日からこのプロダクトが使えなくなったら、どれくらいがっかりしますか?
「すごくがっかりする」という回答が40%を超えるプロダクトはユーザーにとってなくてはならない存在【マストハブ】になっており、成長戦略に向かって舵を切るべきだと定義しています。
逆にマストハブになっていないプロダクトは、プロダクトそのものを改良することが必要としています。
RFM分析とは、既存への販売強化を目的とした分析です。
顧客ごとの最終購入日(Recency)購入回数(Frequency)購入金額(Monetary)の3つの軸で分析します。
これは主にECサイトでよく使われている手法で、例えば既存顧客へのメルマガやLINE配信を行う際のセグメンテーションに使われます。
RFM分析結果によってこういったコミュニケーション施策のレスポンス率が変わってくる傾向があります。
例えばRecencyは期間が短い方がレスポンス率が高くなる傾向があり、Frequencyは回数が多い方がレスポンス率が高い傾向があります。
CPM分析とは、購買履歴やサイト訪問履歴をもとにユーザーをセグメンテーションし、
それぞれの層に最適なアプローチを行うことでロイヤル顧客の獲得に繋げることを目的とした分析です。
RFM分析とかなり似ている考えではありますが、RFM分析では短期的な利益を目指すことを目的としているのに対して、
CPM分析は継続的に利用するようなロイヤル顧客を育成することを目的にしているところが違いです。
具体的にはユーザーを下記の10個のセグメントに分類します。
分類する時の条件は自社サービスの状況や特性に合わせて購買履歴やサイト訪問履歴を元に自由に設定することができます。
<現役顧客セグメント5つ>
<離脱顧客セグメント5つ>
それぞれのセグメントにユーザーをMECEに分類したら、そのデータを元にサイトの分析や新たな施策を検討します。
ユーザーセグメントにあわせて最適な施策を行うことできる点がメリットになります。
他にも様々なフレームワークや分析手法がたくさんあります。
弊社、博報堂アイ・スタジオは、博報堂グループでデジタル系の高度な制作業務を一手に担い、大企業のデジタルマーケティングの戦略策定から実行支援、その仕組を支えるシステムの開発などを行っておりました。
そうした業務を経て、幸いにしてデジタルトランスフォーメーションに必要なノウハウを持ち合わせております。初回相談は無料ですのでまずはお気軽にお問合せください。