コラム

WEBサイト改善におけるPDCAの考え方 - 博報堂アイ・スタジオ

作成者: 小野 裕明|9/27/22 7:22 AM

データ分析を活用したPDCA「グロースハック」のメリット

グロースハックは、定量データや定性データの両方から深い洞察を得て、サービス成長の妨げとなっているボトルネックを改善し続けることで非連続的な成長を達成するという考え方です。
この考え方を実践するとどのようなメリットがあるのかまとめてみました。

課題の解像度が上がる

新規ユーザー獲得を優先すべき?既存ユーザーのロイヤリティを高めるべき?優先して注力すべき課題(インパクトの大きい課題)がどこにあるのかが明らかになる。

施策の成功確度が上がる

課題が明確になったあとは、その原因がどこにあるのかをさらに分析する。直感に頼った施策よりもユーザーの声(データ)に耳を傾けることで、施策の成功率が高まる。

留意すべきポイント

施策は小さく。スピーディに始める。

例えば、既存のサービスに何か新しい機能を追加する大型アップデートしたいとします。 その場合、いきなり多額の開発費を投じてローンチしても、ユーザーに受け入れてもらえなければ無駄な投資になってしまいます。

そのため、まずはテスト的にコアバリューのみを実現してスモールなスタートを切り、成功の兆しが見えてから本格的にシステム開発することをオススメします。
いきなり大規模開発するよりも、スピーディに小さく施策を実行する方が、予期せぬ改善点を発見することができたり、本当にその機能が受け入れられるのかという仮説検証のスピードが上がり効率的です。

「サービス内のデータだけが施策立案の材料」ではない。

サービス内の行動データを分析して改善施策を考えることはもちろん大切です。
それに加えてサービス外の、競合サイトの取り組みや他の業界での先行事例などにもアンテナをはっておくことで、施策のアイディアが生まれることもあるので忘れないようにしましょう。

PDCAサイクルのプロセス

PDCAサイクルはどのように回せば良いのか、様々なやり方があるかと思いますが、基本的なプロセスは以下の通りです。

KPI設計

ビジネスに直結する指標(売上など)を起点として、構成するサブ指標(購入者数×顧客単価など)を構造的に分解し整理する。

KPIレポート/課題特定

構造化された各指標を定期的に実績を当てはめ数値化することで、どの指標に課題があるのかを特定する。

仮説/施策立案

深掘り分析してさらに課題の解像度を上げる。仮説を立てて、施策を考える。

施策実行/検証

実際に施策を実行し効果検証。さらに施策のブラッシュアップ案を検討。

「仮説/施策立案」と「施策実行/検証」のステップを高速でPDCA運用していくことが大切です。
特に「仮説/施策立案」のステップはなかなか取りかかりが難しいと思いますので、トレーニング方法を記載しますのでご参考いただけると幸いです。

仮説思考のトレーニング方法

例えばとあるECサイトで、KGIである売上が減少していたとします。
KPIレポートを見ると、毎月の購入者数は変化してないが、顧客単価が低下していました。
さらにその関連指標のレポートを見ると、購入商品数/人が低下していることがわかりました。
その場合、以下のような4つのステップで整理していくことで仮説思考が身につきます。

STEP1:まずは解決したい課題、達成したいことを言語化する

例:「購入商品数/人」を向上させたい

STEP2:なぜターゲット指標が減少してしまっているのか仮説を考える

例:「初めて購入したユーザー」と「リピート購入ユーザー」では、購入商品数に差があり、購入商品数が多い「リピート購入ユーザー数」が減っているため、 「購入商品数」の指標が悪化しているではないか?

STEP3:仮説が正しそうかをデータを元に裏付ける

例:まずは「新規購入ユーザー」と「リピーター」の購入商品数に差があるのかをデータで確認。
新規購入ユーザーは約2商品購入しかしていないが、リピータは約5商品購入していることがわかった。
次に「リピート購入ユーザー数」が減っているのかをデータで確認。
「新規購入ユーザー数」 は増加しているが、「リピート購入ユーザー数」が減少していることがわかった。
つまり新規ユーザーを獲得できても定着化できていないことが原因であることがわかる。

STEP4:施策アイディアを考える

例:「新規購入ユーザー」 を「リピート購入ユーザー」に育成するために、「新規購入ユーザー」限定の翌月から使えるリピート促進クーポンを配布する。

まずはこのプロセスを活用して仮説思考で考える癖付けがオススメです。 仮説や施策立案がうまくいかない、KPI設計が難しいなどお困りの方のご支援が可能です。

 

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