デジタルマーケティングにおけるカスタマージャーニー改善の重要性
生活者とのデジタル顧客接点を持つことで、これまでユーザーとの接点のなかったタイミング(非来店時など)でも顧客へのアプローチができたり、様々な行動データや意識データを蓄積しビジネス活用していきたいというマインドはかなり浸透してきているように感じます。
これらの取り組みはこの時代のビジネスとして正しい取り組みであると思います。
その結果、目的通りにタッチポイントを活用できている企業は大きな成長を遂げています。
一方、ローンチしたにも関わらず成果がなかなか出ない企業も多いのも事実です。
ローンチすることは「ゴール」ではなく「スタート」
成功するかどうかの分かれ道はどこにあるのか。
それは常に変化し続けられているかどうかではないでしょうか。
最初の一手から成功するケースはかなり稀なケースであり、うまくいかない状況から課題を特定し、適切な市場に受け入れられている状態「プロダクトマーケットフィット(PMF)」を目指して改善活動をすることを続けられるかどうかが鍵になると思います。
つまりローンチすることは「ゴール」ではなく「スタート」と捉えることが重要です。
では改善活動はどのようにすれば良いのか、考えていきましょう。
カスタマージャーニーマップを作ってどんな体験を提供すべきか定義する
カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが商品やサービスを認知してからロイヤル顧客になるまでなど、顧客のおかれるフェーズごとの行動や、それに紐づく感情や思考、困っていることを時系列にまとめたものです。
カスタマージャーニーマップを作ることで、どのフェーズでどんなボトルネックがあるのかを洗い出すことができます。
現状(ASIS)のカスタマージャーニーマップを作り、ボトルネックを洗い出した後は、その課題に対する解決施策を考えていきましょう。
さらにそれらの解決策を実行した場合、その顧客体験がどのようになっているのか、理想形(TOBE)のカスタマージャーニーマップを作成することで、俯瞰して顧客体験を改善できているかを評価/確認することができます。
理想的な顧客体験を提供できているかを定点観測して改善活動を繰り返す
施策を実行したらそれで終わってはいけません。
あくまで実行する施策は「顧客改善ができるであろう仮説」なので、その仮説が正しかったか、つまり理想として描いた顧客体験が提供できているかを検証する必要があります。
そのため、描いたカスタマージャーニーマップを元にどんな指標を計測すれば顧客体験が実現できているかを判断できるかを整理しましょう。
顧客フェーズ毎にどれくらいのユーザーが次のフェーズに以降できているかという視点で整理していくことが一般的です。
指標が設計できたら、施策を実行する前と後でそれらの数値に変化があったかを定量的に確認しながら、次なる改善点がないかを再び作成したカスタマージャーニーマップ をアップデートして改善活動を繰り返す。
こうしたユーザー視点での体験上の課題を洗い出し、対策を講じるというPDCAサイクルを継続的に回していくことが成功に近くための必要条件ではないかと思います。
「なぜ?」を定量データ・定性データの両面から洞察し改善する
ボトルネックを洗い出しや解決策を考える際もユーザー視点での施策立案を忘れないようにしましょう。
例えばECサイトのケースで「サイト来訪しているのにも関わらず購買まで至っていない」としまします。
その時に単純に「クーポンを配って購買促進しよう」といきなり解決策を考えるのではなく、「なぜサイトを訪問したのに買わなかったのか」という理由の仮説を考え、それをデータで検証しながら顧客のインサイトを顧客の声(データ)を元に検証。正しそうな理由がわかれば、それに対する解決策を考えるといったような流れです。
この時、顧客の声(データ)とは以下のようなものがあります。
定性データ(インタビューデータ)
該当するユーザーを呼びデプスインタビューやユーザーテストを行って、ユーザーから直接意見を聞く方法です。
定量データでは得ることの難しい、なぜそういう行動をとったのかというインサイトを知ることができます。かなり深く質問ができるので顧客の理解が深まります。
定量データ(アンケートデータ)
該当するユーザーに対してアンケート調査を行い、行動データではわからないインサイトを解き明かすことができる方法です。
定性データほど深く聞くことはできないが、ある程度定量的にどんなインサイトを持っている人がどれくらいのボリューム存在しているのかを測ることができます。
定量データ(顧客属性データやサービス内行動データ)
どんな行動や属性の人は離脱しやすいのか、逆にどんな行動や属性の人が離脱しづらいのかを実際のユーザー行動データを元に分析することができます。
比較的スピーディーにいろんな行動や属性の切り口で分析することができます。どんなユーザーにアンケートやインタビューを行うべきかを剪定する時にも有効な方法です。
これらの手法を組み合わせながら常にユーザー体験を意識し、カスタマージャーニーの作成および改善活動を継続していく。そういった取り組みを短期的ではなく長期的なスタンスで行っていきましょう。
博報堂アイ・スタジオは、博報堂グループでデジタル系の高度な制作業務を一手に担い、大企業のデジタルマーケティングの戦略策定から実行支援、その仕組を支えるシステムの開発などを行っておりました。
そうした業務を経て、幸いにしてデジタルトランスフォーメーションに必要なノウハウを持ち合わせております。
初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問合せください。
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