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コンテンツマーケティングをより戦略的に実施する8つのポイント


コンテンツマーケティングは、コンテンツを通して顧客との信頼関係を築き、自社の商品やサービスを購買に繋げるためのマーケティング手法です。

適切な戦略を立てたうえで施策を実施すれば、売上アップはもとより、集客にかける広告費の削減、業界地位の確立、顧客体験の向上、コンテンツ資産の蓄積などさまざまなメリットがあります。

本記事では、コンテンツマーケティング実施において欠かせない戦略について、その重要性や具体的な設計ステップを解説します。BtoBマーケティングの有益な戦略の立て方を知りたい方、コンテンツ戦略を成功させたい方はぜひ参考にしてください。

コンテンツマーケティング戦略の重要性

コンテンツマーケティングを戦略的に実施する理由は主に3つあります。

費用対効果を最大化しやすい

コンテンツマーケティングは中長期的な取り組みなので、計画性をもって効果検証を行うことができれば成果に繋がりやすくなります。費用対効果を最大化するには、戦略に沿ったコンテンツ発信が欠かせません。

リソースの効率的活用ができる

マーケティングの業務は多岐にわたるため、無計画では各所に無駄が生じます。たとえば、施策ありきでコンテンツ制作を進めた場合「作業工数が足りず残業」「施策のやりっぱなし」などの問題が発生します。人材や予算、時間などの経営資源には限りがあるため、最適なリソース配分ができるよう事前に戦略を練ることが大切です。

コンテンツの一貫性を保てる

コンテンツは複数人で運営するため、戦略の軸やプランがなければ方向性がバラバラになってしまいます。ゴールがファン層獲得なのか商品購入なのかでも最適な施策内容は変わるため、ユーザーと一貫したコミュニケーションをとるためにも、チーム内で共通認識を作っておくことが重要です。

コンテンツマーケティング戦略設計の8つのポイント

コンテンツマーケティング戦略設計の実施手順を8つのステップでご紹介します。

1. 自社の「課題」や「目的」など現状を分析

効果的な戦略立案のために、まずは自社の現状や課題を調査・把握します。

コンテンツを用いて自社課題を解決していくのがコンテンツマーケティングです。まずは「リード獲得数が少ない」「商談につながらない」など、課題を明確にします。

また、コンテンツはユーザーにとって価値のある情報でなければ意味がありません。そのためにも、自社が提供できる情報は何か、ユーザーの興味・関心が高いものは何か、詳細に理解することが重要です。

SWOT分析や3C分析などのフレームワークを活用し、自社の強みや弱み、競合他社や市場の環境、顧客ニーズなどを改めて分析します。

2. ペルソナを設定

ペルソナとは、自社サービス・商品を利用する具体的な人物像のことです。

施策立案やコンテンツ作成は常にユーザー視点で行います。ユーザーが抱える悩みの解決策や求めている情報を提供するためにもペルソナは欠かせません。また、社内全体の共通認識を持つためにも有効です。

自社の顧客データや現状分析の結果をもとに、氏名や年齢、ライフスタイル、年収、悩みや価値観、興味・関心など、架空の人物像を複数作成します。一度作成して終わりではなく、定期的に見直してブラッシュアップすることが必要です。

3. カスタマージャーニーマップの設計

カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社サービスの認知から購入に至るまでのプロセスや流入経路を、ペルソナ心理や購買行動に基づいて時系列順に示した表のことです。

ペルソナ視点でタッチポイントを可視化すれば「どのタイミングでアプローチすべきか」「どんな情報発信が最適か」など、ステージごとの戦略を最適化しやすくなります。

4. コンテンツの運用体制を整える

各コンテンツによって業務内容は異なりますが、例えばブログ記事であれば、オウンドメディアの管理から、キーワード選定、記事構成、記事作成、Webページ作成など誰が何をするか役割分担を明確化します。

ライターやデザイナー、エンジニアなど必要な人材が確保できているか、コンテンツを制作していくうえでリソース不足とならないよう体制を整えます。このとき、必要であればツール導入や外注も検討します。

コンテンツマーケティングはコツコツと配信を続けることが重要です。無理なく継続できる環境・人員を考えて運用体制を構築します。

また、営業や商品開発、CSなど他部署との連携も忘れてはいけません。魅力的なコンテンツを作るにはマーケティングのメンバーだけでは難しく、ネタ切れになってしまったりユーザーニーズを的確に把握できないなどの弊害が起こります。

5. コンテンツを配信するチャネルの選定

代表的なコンテンツとして、メール、ブログ、ホワイトペーパー、セミナー、動画(YouTube)、SNS(Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok)などがあります。

ペルソナによって必要なコンテンツは異なるため、カスタマージャーニーマップと照らしながら目的に応じたコンテンツを選定します。

さらに、新規リード獲得や購買意欲の育成(リードナーチャリング)など各フェーズによってチャネルが変化していくことも多く、複数のチャネルを使い分ける必要があります。

6. 購買プロセスにあわせたコンテンツ設計

ユーザーの購買意欲によって求める情報は異なります。購買プロセスにあわせた良質なコンテンツをいかに届けられるかが重要です。

ユーザーが課題を自覚している段階なら解決策を提示しつつ自社サービス・商品を認識してもらうコンテンツを、課題解決のために具体的なサービス・商品を探している段階なら自社のメリットや自社製品の活用方法を紹介したコンテンツを届けます。

コンテンツの内容が決まったら、公開日や担当者、外注先、配信頻度などを具体的に書き出します。計画表があれば、チーム内で共通認識を持てるだけでなく、属人化や制作漏れを防ぐことができます。

7. 目標(KGI・KPI)の決定

コンテンツマーケティングの目的に応じて目標(KGI・KPI)を決定します。

自社サービス・商品の認知拡大が目標なら記事のPV数やSNSのシェア数、新規リード獲得が目標なら問い合わせや資料ダウンロード数をKPIとして考えます。

効果測定しやすいように「3月までにCV数10%アップ」のような期限付きの数値目標を定めることがポイントです。

8. ユーザーにとって価値のあるコンテンツ制作

ペルソナやカスタマージャーニーマップに合わせてコンテンツを制作します。

各コンテンツをユーザーに見つけてもらうため、ブログであればSEO対策、メールであればタイトルや本文の最適化などを行います。どのコンテンツも作成したら終わりではなく「ユーザーの望むコンテンツ配信」ができているか常に確認するようにしてください。

ユーザーにとって価値あるコンテンツを届けることが何より重要であり、そのために分析し最適化していく手順は欠かせません。

コンテンツマーケティング戦略の課題と解決策

コンテンツマーケティング戦略を始めるにあたり、よくある課題と解決策をご紹介します。

予算をとりにくい

コンテンツマーケティングは短期的な成果が見えにくいため、経営層や管理者の理解が得られず、予算が確保できないケースがあります。

その場合、競合他社の成功事例や施策の導入実績を示し、コンテンツマーケティングがもたらすメリットを意思決定者に説明すると効果的です。BtoBとBtoCでは課題解決のプロセスや特徴が異なるため、自社により似ているケースを提示してください。

リソース不足

確保できる人材や予算が足りず、十分に施策に取り組めないことがあります。

そのようなリソース不足に悩む場合、質の高いコンテンツを継続発信するためにも、アウトソーシング活用がおすすめです。
リソース不足解消だけでなく、記事のライティングやホワイトペーパーの作成など、社内で作成するよりも専門家に依頼する方が作成コストを抑えられることもあります。

外部企業と協力することで成果が出やすくなるだけでなく、結果的にコスト削減や専門的なノウハウやSEOスキル獲得にもつながります。

MAツールの活用でコンテンツマーケティング効率化

コンテンツマーケティングにMA(マーケティングオートメーション)ツールを活用すれば、施策のPDCAサイクルをスムーズに回せるようになります。

MAツールは、マーケティング活動を自動化する機能が多く備わっており、見込み顧客の獲得~商談化までのフェーズを効率化してくれるツールです。

例えば、WEBサイト上での見込み顧客の行動を記録してくれるため、各コンテンツの貢献度が可視化され、施策改善に役立ちます。
他にも見込み顧客の行動に応じてコンテンツを自動配信する機能もあります。

MAツールにできることを詳しく解説した記事がありますので、ぜひ参考にしてください。

コンテンツマーケティングを行うメリット・デメリット

戦略に即してコンテンツマーケティングを実施するにあたり、メリット・デメリットの両方を理解しておくことが大切です。

コンテンツマーケティングを行うメリットは、専門コンテンツの継続的な提供による自社のプレゼンス向上です。業界内での信頼性や存在感を確立することで、潜在顧客との接点がふえるだけでなく、既存顧客のロイヤリティ向上、自然流入による集客増加など、さまざまな波及効果が期待できます。

デメリットは長期的施策であるため、すぐに成果がでにくい点です。その上、コンテンツ制作には時間がかかるため担当者のモチベーションを維持しにくいことがあります。このようなデメリットを軽減するためにも、コンテンツマーケティングでは適切な戦略をたててから取り組むことが重要です。

コンテンツマーケティングの成功事例

最後に、BtoBのコンテンツマーケティング成功事例を3社ご紹介します。

HubSpot Japan株式会社

Hubspot社は、顧客のビジネス成長を自社開発のCRMプラットフォームを通して支援する企業です。

自社で提唱する「トピッククラスターモデル」に基づくSEOを意識したブログコンテンツやこれまでに成果がでた手法を資料化して公開するなど、ビジネスに役立つ有益なコンテンツを提供し続けています。

結果として2020年1月から1年間で検索経由のトラフィックは2倍、ブログ経由で醸成したリード数は3倍になるなど新規のユーザーと接点を持てる機会を順調に伸ばしています。

株式会社ベーシック

ベーシック社は、マーケティング支援ツール「ferret One」を提供する企業です。

"マーケターのよりどころ"をコンセプトにしたメディア「ferret」の運営では、Webマーケティングに関するノウハウ資料や課題解決型の記事、インタビューや事例記事を提供し続けています。

豊富なコンテンツでユーザー自身が情報収集、比較検討しやすい環境を整え、1,000社以上のコンバージョンに繋がっています。

株式会社NTTPCコミュニケーションズ

NTTPCコミュニケーションズ社は、IoTやクラウド基盤、モバイル、ネットワーク、セキュリティを中心に、法人顧客の課題にあわせたソリューションをワンストップで提供している企業です。

自社に合ったMAツールを導入し、メルマガやSNSマーケティング、SEO対策を実施しデータに基づく効果検証を長期的に続けたことで、約2億円の施策コストの削減を実現し、毎年200%成長の売り上げに貢献しています。

コンテンツマーケティング成功のカギは戦略設計

コンテンツマーケティングの成功には、事前の戦略設計が重要です。自社のペルソナやカスタマージャーニーマップに沿ってユーザーニーズに合った最適な施策を実施してください。

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