BtoBビジネスにおいて、コンテンツマーケティングは必ず取り組むべき施策のひとつです。
しかし、効果的な施策展開のやり方を理解しないまま運用しても、なかなか結果につながりません。そこで本記事では、BtoBコンテンツマーケティングに特化して、抑えておくべき基礎知識や、有効な施策5選と展開方法、成功させるポイント3つを具体的にご紹介します。
BtoB企業におけるコンテンツマーケティングとは
BtoBは高額商品を扱うため、意思決定者が複数関与し、ナーチャリング難易度は必然的に高くなりがちです。
BtoCとは施策の進め方が異なるため、まずはBtoBにおけるコンテンツマーケティングの考え方を理解しておきましょう。
BtoBでのコンテンツマーケティングの考え方
コンテンツマーケティングは「顧客ニーズに合ったコミュニケーション」を重視した施策展開を考える必要があります。
BtoB企業は検討初期からインターネットで情報収集しているため、自社の発信するコンテンツがうまくニーズに合えば、それだけで問い合わせにつながることも多いです。
BtoBでのコンテンツマーケティングの役割
コンテンツマーケティングの役割は、コンテンツを通じてユーザーと最適なコミュニケーションを取り続けることです。
うまくコンテンツを展開できれば、自動的に認知から成約まで顧客との関係構築を深めてくれます。
BtoB企業がコンテンツマーケティングを行うメリット
次に、メリットを3つご紹介します。
低コストで始められる
SNSやオウンドメディア、メールマガジンなど月々数千円からスタートでき、Web広告と比較して費用対効果が格段に高いです。
質の高いコンテンツを作成・蓄積していけば、営業資料やカスタマーサポートなどにも流用できるため、多角的に施策展開できることも魅力でしょう。
潜在顧客にアプローチできる
コンテンツマーケティングでは、幅広いユーザーと長期的にコミュニケーションをとるため、潜在顧客にもリーチしやすいことが特徴です。
公開コンテンツは顧客の比較検討をサポートしてくれるため、複雑なBtoB顧客の情報収集を自動で支援してくれることは大きなメリットになるでしょう。
他社の商品(サービス)と差別化できる
有益な独自コンテンツを提供し続ければ、競合他社と異なる価値を提案でき、業界での評価や信頼性、権威性が高まります。
自社のブランディングに役立つだけでなく、顧客のロイヤリティ向上や指名検索の増加にも効果的です。
BtoBで有効なコンテンツマーケティング手法5つ
BtoBに有効な施策を5つみていきましょう。
1、コンテンツSEO
Googleなどの検索エンジンで自社コンテンツを上位表示させ、リード獲得を目指す手法です。
検索キーワードに連動してサイトが表示されるため、ニーズに合ったコンテンツを用意するだけで直接の流入やアクセスを狙えます。
1位になれば長期間安定した集客力を維持できるため、まずはSEOのアルゴリズムや検索意図を戦略的に分析して施策に取り組んでいきましょう。
2、ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、顧客の課題に対してや自社商品によるソリューションやメリット、活用ノウハウをアピールするための資料です。メルマガやWebサイトにデータ資料・Ebookとして掲載し、会員登録や個人情報入力を条件に、資料請求・ダウンロードする仕組みになっています。
認知度アップやナーチャリングだけでなく、見込み顧客の情報を入手できる点が特徴です。
3、メールマーケティング
パーソナライズしたメール配信を通じて、顧客と関係構築を行う手法で、MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入がすすむにつれ、多くの会社で自動化が進んでいる施策です。一斉配信するメールマガジンのほか、検討フェーズごとに内容を変えるセグメントメール、シナリオに沿って配信するステップメールなど、戦略設計に応じて使い分けます。
4、事例マーケティング
自社商品のリアルな導入事例を紹介し、ユーザーの不安解消やイメージ醸成に役立てる施策です。
他社のインタビューや成功事例は説得力があるため、単に言葉で自社サービスの有効性を解説するよりも効果的です。
5、ウェビナーマーケティング
オンラインセミナー(ウェビナー)を通じて、自社製品の情報提供を行う手法です。
ほかのコンテンツマーケティング施策と異なり、顧客の反応をリアルタイムで確認したり、直接相談や質疑応答ができるため、顧客との関係構築が深まるメリットがあります。
BtoBでのコンテンツマーケティングの展開方法
コンテンツマーケティングは成果がでるまで半年〜1年間ほど必要です。
中長期的な施策になるため、検討期間が長いBtoB商材では特に、事前に戦略を練っておかなければなりません。
ここでは、BtoBにおけるコンテンツマーケティングの施策展開について、計画のたてかたを解説します。
「自社の課題と目的」を明確にする
まずは最初にコンテンツマーケティングのゴール(KGI)と、それを達成するための目標(KPI)を明確にします。
自社課題を分析し、本当にコンテンツマーケティングで解決できるのか、どのような対策が考えられるのかなどを分析しながらKGI・KPIに落とし込んでいきましょう。
実際の顧客データをもとにペルソナを設定
成果が出ているコンテンツ施策は、共通してターゲットやコンセプトがはっきりしています。
そのため、自社の理想的なターゲット像である「ペルソナ」を設定し、「誰に向けてコンテンツを発信するのか」を明確にしましょう。特にBtoBでは意思決定者のポジションや役割ごとにペルソナを用意したり、既存顧客に多い特徴を組み込んだプロフィールを作成することがポイントです。
カスタマージャーニーを作成する
自社商材の認知から成約まで、ペルソナの心理や行動変化を可視化した図がカスタマージャーニーです。
時系列に沿って顧客ニーズを理解することで、態度変容を促す最適なタッチポイント(接点)やアプローチ手法について整理しておきましょう。
タッチポイントごとにコンテンツを企画する
カスタマージャーニーに沿って、作成すべきコンテンツの内容や媒体などを選定します。
例えばサービス認知前なら、コンテンツSEOで潜在顧客の取り込みを狙いましょう。もしすでに顧客が自社サービスに興味・関心を持っているなら、ホワイトペーパーなどダウンロードコンテンツを充実させて、購買意欲を高めるような施策を展開するべきです。
定期的な効果検証を行う
配信後は、Googleアナリティクスなどのツールを使用して効果測定を行いましょう。
具体的には、月間PV数やセッション数、問い合わせ数とCV率などを計測し、記事コンテンツやCTAなどの改善点を分析します。
継続的に成果を出すためにも、PDCAサイクルを構築しておきましょう。
コンテンツマーケティングを成功させるポイント
最後に、成果を出すために、抑えておきたいコツを3つご紹介します。
長期的に取り組む
コンテンツマーケティングには即効性がありません。最低半年は粘り強く続ける必要があることを、チーム全体で理解しておきましょう。
記事制作やコンテンツ更新・リライトを継続し続けるためにも、マーケティング担当者に負担が集中しないよう、編集部やライターなど最適なリソース配分を行うことが大切です。
コンテンツを多角的に展開する
日々コンテンツ運営をしていると、どうしてもテーマやネタが尽きてしまうため、ひとつのコンテンツを多角的に利用する計画を立てておきましょう。
例えば、ウェビナーを録画してブログや動画コンテンツに流用したり、ホワイトペーパーやコラムに転用することもできます。
継続可能なコンテンツ制作体制を整える
コンテンツマーケティングはどんなにスモールスタートしても、内製には限界がきます。
チームで分業するにあたり、マニュアルで属人化を防いだり、時間や人員などのリソース確保を計画的に行うことも重要です。
規模の拡大により手が回らなくなってきたら、思い切って外注の活用も検討しましょう。
適切にPDCAを回しながら成果につなげていくことが大切
BtoB事業にとってコンテンツマーケティングは欠かせない取り組みである一方、短期間で効果が出にくいことが悩みのタネでもあります。
常に施策の改善・見直しを行い、適切にPDCAサイクルを回すことで、確実な成果につなげていきましょう。
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