BtoB企業のSNSマーケティングは、売上拡大や顧客獲得に欠かせない重要な施策のひとつです。
本記事では、BtoB企業がSNSマーケティングを取り入れるメリット・デメリットから、5大ソーシャルメディアの特徴などを詳しく解説します。
後半ではSNSマーケティングを始める手順や実施の注意点まで網羅して徹底解説しますので、最後までご一読ください。
BtoB企業におけるSNSマーケティングとは
SNSは本来、ユーザー同士の情報共有ツールでしたが、近年ではビジネス目的の活用も増加しています。
SNSで飛び交うリアルな情報が重要視され、多くの企業が仕事の一環としてSNSでの情報収集を行っています。この流れはWebマーケティングでも例外ではありません。
企業と継続的な接点を持ち、深い信頼関係を構築するマーケティングツールとして、いまやSNSは有効な手段のひとつなのです。
BtoB企業がSNSマーケティングを実施するメリット・デメリット
SNSでの企業アカウント運用にはメリット・デメリットの両面があります。
SNSマーケティング実施のメリット
SNSはユーザーとの距離が近く広範囲にリーチできるため、潜在顧客の集客(リードジェネレーション)と顕在顧客の育成(リードナーチャリング)の両面に効果が高いことが特徴です。
また、継続的な情報発信により、競合他社との差別化やブランディング強化、既存顧客のロイヤリティ向上などの効果が期待できます。
BtoBは複数の意思決定者が関与するぶん難易度が高いのですが、SNSで長期的に接点をもっておけば単純接触効果が狙え、自然と商談化や成約率の向上にもつながるでしょう。
SNSマーケティング実施のデメリット
SNSは気軽に利用できるぶん、悪意ある虚偽や悪評が拡散されてしまう危険性があります。
何気なく行った投稿が誤解され、炎上する可能性があることもデメリットです。
また、流行やトレンドに左右されやすいため、常に情報収集をしながら有益なコンテンツ発信をするのはなかなか骨の折れる作業です。
BtoB企業のSNSマーケティング5大媒体
SNSは媒体によって利用者層や特徴が異なるため、ターゲットや目的に合わせて使い分けましょう。
Facebookは30代ビジネスパーソンの登録が多く、実名制で信頼関係が構築しやすいなど、BtoB企業のSNSマーケティングに活用しやすいSNSです。
投稿は文章や画像・動画など自由度が高いほか、企業プロフィールに問い合わせを設置できるなどビジネス機能も充実しています。
特にFacebook広告は他のSNSと比べて高精度なので、高額商品やマイナー商材のアプローチにも最適です。
X(旧Twitter)
Xは、10代の若者から40代の社会人まで幅広いアクティブユーザーを抱えるSNSです。
140字のテキストによる情報発信が中心ですが、リツイートによる拡散力やリアルタイム性が非常に高く、BtoB企業の認知度向上に適しています。
ただし直接コミュニケーションが取りやすいぶんフォロワー獲得やブランドイメージアップに役立ちますが、炎上リスクも高まるので注意しましょう。
Instagramは、写真や動画などのビジュアル訴求に特化したSNSです。
10〜20代の女性ユーザー層が中心なので、ブランドの世界観や利用イメージなど、統一感のある視覚的な投稿が求められます。
有益なコンテンツ発信を続けることで、ファン獲得やナーチャリングなどを効果的に進めることが可能です。
LINE
LINEは、9千万人以上のユーザー数を誇る、日本最大のメッセージ送信サービスです。
LINE公式アカウントではBtoBよりBtoC企業が多いものの、トーク画面を問い合わせ窓口にしたり、メルマガのような情報提供に使うなど幅広く活用できます。
LINEはユーザーとの距離が近いクローズドなSNSなので、ファン層の育成やリピーター獲得などにも有効です。
YouTube
YouTubeは広い世代で8割以上の利用率を誇る、動画投稿のためのプラットフォームです。
動画配信は高コストなのでBtoB企業の参入はまだ少ないものの、長尺やショート動画、YouTube広告運用などでうまく訴求できれば認知拡大・ブランディングに高い効果が期待できます。
アップデートした動画を自社サイトやFacebookに埋め込むなど、他のSNSと併用しやすいことも特徴です。
BtoB企業がSNSマーケティングを始める手順
ここでは、SNSマーケティングを成功させるために押さえておきたい手順を7ステップで解説します。
目的を決める
まずはターゲット層に刺さるSNS運用を実現するため、自社の最終ゴールや導入目的を明確に定義しておきましょう。
新規リード獲得に活用するのか、それとも見込み顧客の成約率向上を目指すのかでは、選択すべきSNSや発信内容は全く異なります。
ペルソナを設定する
次に「誰に向けて情報発信をするのか」を、具体的に定義します。
業界や会社規模、役職、年齢、性別、興味関心、よく使うSNS傾向など、架空の顧客像(ペルソナ)を作成しましょう。
特にBtoBマーケティングでは、意思決定者ごとに複数ペルソナを作成し、SNSの視聴パターンや自社PRの方向性の絞り込みが求められます。
プラットフォームを選ぶ
目的とペルソナが決まったら、自社に最適なSNSプラットフォームを選定しましょう。
ペルソナの利用率の高いSNSを中心に自社サービスと相性の良い媒体を検討し、最も効果的なものを探すことが大切です。
アカウントを作る
利用するSNSが決まったら、目的に応じてプロフィールを開設しましょう。
経営者などの個人アカウントのほか、企業全体については「企業公式アカウント」、特定サービスに特化した「サービス公式アカウント」、顧客サポート用の「カスタマーサービスアカウント」があります。
コンセプトを決める
事前に設定したペルソナをもとに、SNSで発信すべき内容を具体的に定義しましょう。
SNSでのメッセージに一貫性をもたせるため、相手に届けたい価値観や、課題解決・共感を得るためのコンテンツ内容、口調などのトーン・マナー、投稿頻度を決めておきます。
コンテンツを発信する
コンセプトに沿って、実際にコンテンツ発信を開始します。
SNSによって戦略は異なりますが、動画・テキストの使い分けやハッシュタグの設定など、自社の投稿がリーチしやすい工夫をすることが大切です。
効果を測定する
投稿後は、コンテンツに対する反応を必ず確認し、PDCAをまわして施策を改善していきましょう。
SNSによって効果測定ツールは異なるものの、一般的にはフォロワーの増減、閲覧率、いいね・シェア数(エンゲージメント)、コンバージョン率などを指標に効果測定を行います。
BtoB企業がSNSマーケティングを実施する時の注意点
最後に、SNSマーケティングの実践において注意すべきポイントを3つご紹介します。
投稿が自社の宣伝に偏らないよう気をつける
SNSはあくまでもユーザーと企業の双方向コミュニケーションの上に成り立っています。
そのため自社の告知や宣伝ばかりの企業アカウントに、フォローは集まりません。
ユーザーを自社サイトに誘導するための導線は整えたうえで、まずは顧客目線でみて心地よい程度の自社アピールに留めておきましょう。
ニーズに合ったコンテンツ作成が大切
SNSの拡散性を活かすには、見込み客のニーズに合った有益なコンテンツを継続発信することが重要です。
ペルソナの抱える問題を想定し、共感を呼ぶコンテンツ発信や課題解決に役立つノウハウの提案などができるよう意識しましょう。
また、SNSはトレンドの流れが早く過去投稿はすぐに埋もれてしまうため、長期的にコンテンツを展開できるよう工夫することが大切です。
属人的にならないよう運営は複数人で行う
SNS運用は担当者がひとりだと属人化しやすく、ネタ切れや投稿の偏りなどが発生します。
良質な発信を続けるためにも、SNS投稿やデータ分析は複数人で分担し、偏りが出ない運用体制を構築しておくようにしましょう。
SNSマーケティングを効果的に行い事業拡大を目指そう
今後BtoB企業がビジネスの発展を狙うにあたり、SNSの活用は避けて通れない必須ステップです。自社の目的に合ったSNSマーケティングを展開し、売上向上や事業拡大を目指していきましょう。
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