コラム

BtoBマーケティングで重要な2つのポイント「デジタル活用」「組織の分業化」とは - 博報堂アイ・スタジオ

作成者: 小國 晴郎|10/26/20 6:54 AM

デジタルテクノロジーの進化により、アドネットワークやマーケティングオートメーション、カスタマーデータプラットフォームなど、様々なソリューションによるマーケティング活動のデジタル化が進んでいます。これに伴いマーケティング活動はより効率的に、より効果的になる一方で、こうしたデジタル化から遅れを取る企業では「業界のデジタル競争についていけない」、「顧客のニーズに対応していくことが困難」という課題を抱えることも増えてきました。

特にBtoB企業や中小企業では、BtoC企業のマーケティング組織と比べ規模が小さい(もしくは存在しない)傾向にあることから、マーケティング活動のデジタル化から遅れをとっていると認識されている経営者の方も多いのではないでしょうか。こうしたマーケティング活動のデジタル化はBtoC企業だけではなくBtoB企業にとっても重要なことで、昨今のデジタルトランスフォーメーション(DX)という文脈でも、企業のマーケティング活動やその先の営業活動でのデジタル活用は、多くのBtoB企業にとっての喫緊のテーマであると言えるのではないでしょうか。

当ページでは、

  • BtoBマーケティングにおけるデジタル活用のトレンドを知りたい
  • BtoBマーケティングのパフォーマンス最大化のための組織体制が知りたい

といった方向けに解説して参ります。

 

BtoBマーケティングもデジタル活用が重要に

多くのBtoB企業の今までのマーケティング活動は、TVCMや新聞広告、またイベントのスポンサーや出展などが中心でした。また、こうしたマスメディア中心のコミュニケーションの主目的は企業の名前や製品名などの認知拡大です。

一方で、デジタル活用が進むとBtoB企業のマーケティング活動はどうなるのでしょうか。大きく2つのポイントがあります。

 

1つ目のポイントは、「顧客のフィードバックが容易に受け取れること」です。 例えばWebサイトに自社サービスの情報を掲載しておけばそのページの閲覧ログをもとに、今後顧客になる可能性のあるユーザーからの反応を得ることができますし、Webアンケートなどを活用すればそのサービスの評価を即座に得ることができます。こうした行動ログなどから把握できる情報をもとに、自社の事業やマーケティング活動などの課題が可視化され改善するとができます。また、Webサイトをはじめとしたデジタルチャネルの行動データは計測ツールを使えばリアルタイムに把握することができます。このように計測環境も整うことができれば高速でPDCAを回し、改善活動が維持できます。

2つ目のポイントは、「顧客育成や成約以降のコミュニケーションが可能になること」です。 従来のマス中心のマーケティング活動の効果的な領域は、自社の名前や製品名における認知拡大でした。しかしながらデジタルチャネルを活用することで、より多くのフェーズの顧客とのコミュニケーションが取れるようになります。例えば、メールアドレスを把握している見込み顧客に対し、自社の製品に更に興味を持ってもらうことを目的としたメールマガジンを送ることや、Webセミナーを通してより製品の導入効果について実感してもらうことが可能です。また、既存顧客対してもコミュニケーションをとることで、クロスセルやLTVの最大化も期待ができます。

BtoBマーケティングにおけるデジタル活用を進めるメリットは「顧客のフィードバックが容易に受け取れること」と「顧客育成や成約以降のコミュニケーションが可能になること」です。この2つのメリットを活かすことで、自社のマーケティング活動はより顧客にとって最適なものになり、より密なコミュニケーションが取れるようになります。

 

マーケティングや営業活動は「分業型」に

続いてはBtoBマーケティングにおけるデジタル活用を成功に導く組織体制について解説していきます。今までは営業部門が見込み顧客の開拓から成約までを一挙に引き受ける体制が一般的でした。ターゲットリスト(アタックリスト)を作成し、電話やメールでアポイントメントを取ります。その後自社製品の提案活動を行い、顧客が興味を持ってくれたら商談に持ちこむプロセスです。

しかしながらデジタル活用が進むことで扱うツールや業務が増え高度化し、顧客とのコミュニケーションが複雑化することで専門的なマーケティングスキルも必要となり、マーケティング・営業活動を分業するBtoB企業が増えております。

大きくは、

  • 自社製品の認知拡大から見込み顧客(リード)化するマーケティング部門
  • 成約確率の高い見込み客を選定するインサイドセールス部門
  • 見込み度の高い顧客に対して成約までの商談をする営業部門 の3つに別れます。

 

  • マーケティング部門 マーケティング部門の最大のミッションは、自社の認知度を向上させ自社製品に興味を持ってくれる顧客を増やすことと、その顧客を見込み顧客(リード)化させることです。一般的には会社情報や氏名、所属、そしてメールアドレスなどを取得します。これらの情報があることで、定期的にメールマガジンを送ったり、展示会やセミナーのお知らせを送ることが可能になります。Webサイトへの集客も大事で、SEO戦略や、広告(アイメディア)を活用した集客数最大化も行います。そして、獲得した顧客をナーチャリング(育成)することもマーケティング部門のミッションです。自社の製品への興味を高めるためのメールマガジンやセミナー・ワークショップなどが一般的な施策です。
  • インサイドセールス部門 マーケティング部門が獲得し育成した顧客の中から、成約確率の高い顧客を選定して営業部門に送り込むことが最大のミッションです。Webサイトへのアクセスログやセミナーなどの参加状況、アンケートの回答内容などの情報をもとにして、成約確率の高い顧客を選定します。ときには個別でメールや電話のやり取りをすることで成約確率を見極めていきます。最近では、セールス・フォース・オートメーション(SFA)と呼ばれる営業支援システムにより、Webサイトのアクセスログやセミナーなどの参加状況を自動で分析して成約確率を算出してくれる機能も登場し、より正確に成約確率の高い顧客を選定できるようになりました。
  • 営業部門 インサイドセールス部門が獲得した成約確率の高い顧客を成約まで結びつけることが最大のミッションです。従来の営業部門と大きく異なるのが、これまでのマーケティング部門、インサイドセールスか収集した行動ログがあるということです。商談に行き着くまに取得した、どんな情報に興味をもって、どんな自社課題を認識していて、どんだけの予算が確保されていて、などの情報を最大限に活用し、提案活動を行うことで、成約率を高めることが可能となります。

BtoB企業におけるマーケティングや営業活動のDXについて具体的にどのようなプロセスで課題を抽出し分析・整理していけば良いのか。その後どのようにプロジェクト化していけば良いのかについてさらに詳しく知りたい方向けに無料eBookを公開しております。是非ダウンロードしていただき、明日からのDX推進業務の参考にして頂けると大変幸いです。

 

 

弊社、博報堂アイ・スタジオは、博報堂グループでデジタル系の高度な制作業務を一手に担い、大企業のデジタルマーケティングの戦略策定から実行支援、その仕組を支えるシステムの開発などを行っておりました。

そうした業務を経て、幸いにしてデジタルトランスフォーメーションに必要なノウハウを持ち合わせております。初回相談は無料ですのでまずはお気軽にお問合せください。